イラスト歳時記  ・山茶花(さざんか)     Winter・冬 1月  




山茶花は、晩秋から冬のモノトーンの景色に色あいを添えてくれます。『さざんかさざんか さいたみち〜♪ たきびだたきびだ おちばたき〜♪』。山茶花というとこの『焚き火』の歌を思い出します。山茶花の咲いている垣根に落ち葉を掃き寄せて焚き火。日本の原風景の一つでしたが、昨今は、廃棄物処理法や火災予防条例などのこともあってか、あまり見かけなくなりました。学名を『カメリア・サザンカ(Camellia sasanqua )』といいます。カメリアは、江戸時代に日本からヨーロッパへ椿を持ち帰ったドイツの宣教師Kamel(カメル)にちなんだ名で、『椿』のことですから、学名は、山茶花がツバキ属の日本原産固有種であることを意味します。山茶花と椿は似ていますが、椿は春に咲くが、山茶花は晩秋から冬に咲く、椿の花は花ごとひとかたまりになって落花するが、山茶花は花びらが一枚づつばらばらに散る、椿の花は葉の裏側に隠れたように咲くが、山茶花の花は葉の表側に目立つように咲く、などの違いがあります。なのに、椿の漢名(中国名)である『山茶花』が、いつの頃からか『さざんか』の漢字名として間違って定着したのは面白いです。白い花びらに薄っすらほお紅をつけたような艶やかな一重の山茶花の写真を、岐阜にお住まいの風眠さんからお寄せ頂いたので、イラストに描いてみました。(2008年01月)

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