イラスト歳時記  ・熱情の凌霄花(のうぜんかずら) Summer夏 8月  




凌霄花(のうぜんかずら)は、南国の雰囲気のする花です。8月の夏の盛り、肌をじりじりと焼き焦がすような灼熱(しゅくねつ)の日射のなかであざやかに咲いています。霄(しょう)は、空を意味し、イヌマキ(方言でヒトツバともいいます)などの樹木に絡(から)み付いて、天空を凌(しの)ぐ気配で高くのびて咲いています。この花を見ると、その成熟しきった姿に魅せられると同時に、熱情の裏にこの花が抱いている寂寥(せきりょう)感のようなものを感じるのです。ひとつひとつの花の命はそう長くないようです。盛りを過ぎた花が散り際良く散っていく隣で、出番を待っていた蕾(つぼみ)が入れ代わり立ち代り咲いていきます。地面は散った花の残骸でいっぱいになります。鼻を当てて花の匂いをかぐと脳を損なうとか、露が目に入ると失明するとかいい伝えられています。実際に毒があるのは樹液で、そこまで恐ろしい花ではありません。凌霄花は、朝顔やヒマワリなどの夏の他の花とはひと味違った魅力の花のように思います。尚、イラストは、KUMIさんのブログ『KUMI☆ふぉとFC2』 にアップの凌霄花をモデルにさせて頂きました。                              (2007年07月16日)

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