春のそよ風にアネモネ(Anemone)が揺れています。アネモネは、原産が地中海沿岸地方のキンポウゲ科の多年草の花で、名前はギリシャ語の風(アネモスAnemos)に由来します。キュプロス王・キニュラスとその娘ミュラとの間に生まれたアドニスはギリシャ神話一の美青年に成長します。愛と美の女神アフロディテは、わが子エロス(キューピット)と遊んでいたとき、エロスが誤って放った矢を胸に当て、美青年アドニスに恋するようになります。アドニスの関心ごとはもっぱら狩りで、アフロディテに振り向くことはありませんでした。いつものように狩に出かけたアドニスは、ある日巨大な猪(いのしし)に出会い、その牙で刺し殺されてしまいます。アフロディテは悲しみ、冥界の王ハデスに彼を生き返らせてくれと頼みますが、受け入れられませんでした。その代わり、ハデスはアドニスを花として転生させました。しかし、その花は風が吹けば散ってしまう、風とともに咲き、風とともに散る花だったので、人々は「風の花(アネモネ)」と呼ぶようになりました。アドニスを襲った猪は、実はアプロディテの愛人で軍神のアレスが嫉妬に狂って送り出したものでした。アネモネの花言葉には、赤が「あなたを愛す・はかない恋・恋の苦しみ」、ブルーが「あなたを信じて待つ・待望」などとあります。〜埼玉県にお住まいのlilyさんのサイト『lily's flower album 』 はいつも素敵な花々で一杯です。そのなかから写真をお借りして描きました。 (2005年04月)
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