コラム  桃吹く   
 
桃吹く
『桃吹く』という秋の季語があります。オヤッ、桃が『吹く』とはどういうことだろうか、と思います。『桃咲く』なら分かりますが、桃の花が咲くのは春ですから『桃咲く』は春の季語になります。
 
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実は、吹くのは桃ではなく。棉(綿)の実なのです。棉(わた)は木質化するアオイ科の多年草ですが、一年草として栽培されます。夏に開花し、秋に卵円形の果実を結び、熟すると三裂して白色の綿毛をつけた種子を吐きます。
 
俳句ではこれを『棉(綿)吹く』といいます。この吹いたコットンボールといわれる実綿が桃の形状に似ていることから『桃吹く』ともいわれるのです。コットンボールは加工されて繊維になります。
 
秋吹いた棉(綿)の実
吹いた棉の実
写真は、2020年10月28日 鹿児島県さつま町の自宅で撮影。

  2020.10.28
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