コラム  ・久助(きゅうすけ)   
 
久助(きゅうすけ)
福岡県直方市内に本社を置く米菓メーカーに『もち吉』があります。直方市の西隣にある宮若市に住む友人が年に一度、もち吉の訳あり商品を購入し、一抱えもあるビニール袋に入れて届けてくれます。

製造過程で割れたり欠けたりしてしまったせんべいやあられが種類を問わずどっさり詰め合わせてあります。割れていて、形状が不完全でも味覚的には正規品と比べて遜色なく、大きなせんべいは、どうせ食べるときに割るわけですから気になりませんから、ありがたいことです。

製造工程で割れたり欠けたりした、規格外のせんべいやあられなどを集めて、正規品よりも安い価格で販売される割れ菓子のことを『久助』といいます。米菓子業界で使われている業界用語ですが、『久助こわれ』とか『こわれ久助』などの表記で売られているので、ご存知の消費者の方もおられると思います。

さて、なぜ割れ菓子のことを『久助』と呼ぶようになったかその由来です。完全なもの、すなわち10に少し欠けている9から『九助』となり、転じて『久助』となったとか、五助という職人がへまばかりするので親方が怒りのあまり『久助』と呼び間違えたとかなど、諸説があるようです

久助こわれ

福岡県朝倉市秋月に、廣久葛本舗(ひろきゅうくずほんぽ)という本葛製造専門店があります。文政2年(1819年)創業で、現在は十代目ですが、初代・高木久助は、選別法、精製法を研究して純白の本葛粉を作り出しました。

久助の葛粉は上質のため、秋月藩主に献上されて賞賛を得え、江戸幕府への献上品ともなりました。このため、江戸市中でも名声を博し、久助葛と呼ばれました。やがて略して久助と呼ばれるようになりました。現在も本葛粉のことを業界用語で久助と呼んでいるそうです。

久助葛は、和菓子職人や料理人の間でも愛用され、久助と略称していました。割れた屑物の菓子に、葛という同音を掛けた駄洒落で、割れ菓子のことを『久助』と呼んだといわれます。菓子を作り終えた時に余った材料を『久助種』と呼び、これで賄い用や自家用の別の菓子を作ることもあるそうです(出典: Wikipedia)。

どの説が正しいとも判定できないようですが、葛が和菓子に使われるようになったのも、店頭でのせんべい販売が盛んになり始めたのも江戸時代中期以降で、時期が同じ頃ということで、『久助葛』説が説得力があるように思います。

  2023.02.01
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