レポート  ・鹿児島のクラフトジン〜和美人   
 
鹿児島のクラフトジン〜和美人
昭和22年(1947年)〜24年(1949年)に生まれた、いわゆる団塊の世代が大学生の頃の昭和40年代の半ばから後半。この時代の大学生は、研究室やサークルのコンパでは焼酎だったけと、ちょっとおしゃれな、例えば、鹿児島市内天文館の社交ダンスホールなどでは、ウオッカやジンベースのお酒を飲んでいました。
 
ビールに「クラフトビール」があるように、最近、小規模な醸造所で手塩をかけて、あたかも民工芸品(クラフト、 craft)のように、少量生産だけど個性豊かな「クラフトジン」が国内のあちこちで作られていて、注目されているようです。
 
ジンは、アルコール度数を高めたスピリッツ(ベースアルコール)に、ジュニパーベリー(セイヨウネズというヒノキ科の植物の果実を乾燥させたスパイス)を含む複数のボタニカル(植物成分)を漬け込んで蒸留した酒です。
 
なお、ボタニカル( Botanical)とは「植物の、植物性の、植物学の」という意味の英語の形容詞ですが、酒やカクテルの話しで「ボタニカル」という場合には、蒸留酒(とりわけジン)の原料に用いられる香草類の総称を意味します。
 
ジンはジュニパーベリーを使用していれば、他はどのようなボタニカルを使用してもよいという自由度の高いお酒です。したがって、通常のジンでは使われない蒸留所特有の原料あるいは地域特産のボタニカルを使ったり、伝統的な製法を採用したりして、こだわりを持って個性豊かに造られているのが「クラフトジン」の特徴です。
 
鹿児島のクラフトジンに、本坊酒造(株)のマルス津貫蒸溜所(南さつま市加世田)で作られている「 Japanese GIN 和美人」があります。世界三大酒類コンペティションの一つである「International Spirits Challenge 2022」(イギリス)のジン部門で最優秀金賞を受賞したジンだそうです。
 
本坊酒造(本社:鹿児島市)は、甲類焼酎や本格焼酎の他にウイスキーやワインなどを製造・販売している総合酒類メーカーです。「 Japanese GIN 和美人」は(1)米焼酎由来のスピリッツをベースに使用、(2)鹿児島産のユニークなボタニカルを9種使用、(3)ウイスキー造りで培われたブレンド技術が活かされていることが特徴だそうです。
 
9種類のボタニカルとは、柚子、辺塚橙(へつかだいだい)、檸檬(レモン)、金柑(きんかん)、けせん(ニッケイの葉)、月桃(げっとう)、緑茶、生姜、紫蘇(しそ)で、すべて鹿児島県産が使われています。
 
ブルーボトルは、いかにも爽やかなジンをイメージさせ、ラベルには、江戸時代末期から作られていた、薩摩焼製のボタン「薩摩ボタン」を現代に蘇らせた室田志保さんの作品を基にしたデザインが採用されていて良いです。
 
  ・薩摩ボタンブランド「薩摩志史」
          → https://satsumacc.shop/
 
 
Japanese GIN 和美人(本坊家旧邸「寶常」で撮影)
Japanese GIN 和美人(本坊家旧邸「寶常」で撮影)
 Japanese GIN 和美人の瓶のレッテル
 
    

  2022.08.31
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