コラム  ・一万円札ものがたり   
 
一万円札ものがたり
 
§1 旧紙幣見つけ!
 
先月(2020年6月)の下旬、停滞する梅雨前線の影響で雨が降ったり止んだりの日に納屋の整理をしました。農家の納屋には実にいろんなものが押し込まれています。特に多いのが、箱に入ったままの未使用のちゃわん皿などの引き出物。陶器屋を張れるくらいの数です。
 
そんなものを思い切って廃棄しました。いわゆる『終活』の一環です。そんな作業中、古いカバンのなかに払戻金通知と朱書きのある鹿児島県自動車税管理事務所の茶封筒が入っていて、念のため中身を調べてみると、なんと一万三千九百円の紙幣が入っているではありませんか(下の写真)。
 
それも聖徳太子像(一万円)、伊藤博文像(千円)、岩倉具視像(五百円)、板垣退助像(百円)の紙幣です。百円紙幣の支払停止日(日銀から市中銀行への)が1974年(昭和49年)8月1日になっていますから、50年代初め頃にカバンに仕舞われたお金だと考えられます。思いもしなかった金額でした。
 
§2 1万円札ものがたり
 
納屋の整理中に見付けた聖徳太子像の1万円札。調べてみますと、初めての1万円札として昭和33年(1958年)12月1日に発行されています。大学卒の初任給が1万3千円ほどの時代でしたから、そもそもこんなに高額な紙幣を発行する必要があるのかという議論がなされたそうです。
 
しかし、発行されると高度経済成長とともに順調に流通量が増えて行きました。昭和33年といえば、三種の神器(電気洗濯機・テレビ・電気冷蔵庫)など家電ブームの中で、東京タワーや世界初の海底道路・関門トンネルが完成しました。
 
また、4人乗り軽乗用車・スバル 360や排気量50CCで4サイクルエンジン搭載のホンダスーパーカブが発売され人気を博し、日清食品からわが国初のインスタントラーメン『即席チキンラーメン』が発売されるなどした年でした。
 
初の民間からのお妃として正田美智子さんが皇太子妃に決まり、スポーツ界では、長嶋茂雄さんが公式戦デビュー。国鉄のエース金田正一さんに4打席連続三振を喫するも、終わってみれば本塁打王と打点王の二冠を獲得、打率はリーグ2位。
 
そんな昭和33年の、まさしくタイムリーな初一万円札の発行だったわけです。昭和61年(1986年)1月4日に日銀から市中銀行への支払が停止されていますから、現在30歳くらい以下の若い人は見たことのない聖徳太子像の一万円札です。 
 
見つかった旧紙幣(13,900円)
一万円紙幣(聖徳太子像)
千円紙幣(伊藤博文像)
五百円紙幣(岩倉具視像)
百円紙幣(板垣退助像)

  2020.07.15
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