レポート | ・福袋 |
− 福袋 −
|
お正月の楽しみの一つに、特にご婦人方のお楽しみの一つに『福袋』があります。東京のデパートでは、7億円のダイヤモンドの、名古屋のデーパトでは1億円の金の食器類の入った福袋を売り出したとか。 仕事初めのきょう、つまり1月4日現在で、どちらもまだ売れてないそうです。どうも売れる気配の漂ってこない福袋のようですが、発売期間が1月9日までなので、担当者は期待を捨てていないようだとか。 さて、福袋のはじまりは江戸時代の呉服店の『越後屋』(現在の三越)にあるそうです。越後屋はその年に仕立てた着物の余り生地を袋に詰め、冬の着物の売り出しに合わせて販売しました。 すると、やはり呉服店の『大丸屋』(現在の大丸)も同様の取り組みを行い、その取り組みが全国の呉服店へ広がっていきました。つまり、福袋は元来から売れ残り商品を売ることを目的にしているわけです。 売れ残った商品を在庫として抱える場合、店には保管コストが発生します。一方、売れないのに売り場に陳列し続けると、売れる可能性のある商品の販売機会を損なうことになります。 だからといって、処分すれば、今度は処分コストが発生します。そうした事情を勘定に入れて、売れ残り商品を出来るだけ安売りすると同時に集客につなげるというのが福袋の狙いなわけです。 昭和期に本格化した現代の福袋も売れ残り商品の処分が目的ですから、福袋には売れ残り商品が詰まっているわけですが、福袋は集客効果がなかったら、元も子もないし、人気のない福袋はお店のイメージダウンにもつながりかねません。 売れ残り商品の詰め合わせだけれども、売る側はそれに『夢』を添えて売る。買う方は、売れ残り商品の詰め合わせとわかっていて『夢』を買う。そういう福袋であれば行列ができます。 たとえば、目玉商品や通常は手に入らない限定商品と抱き合わせで福袋をつくるとか、当たりくじを入れるとか。元々、在庫や処分にかかるコストを低減するのが福袋だから、思い切ったことができるはずです。 たとえば、5千円の福袋にはまず5千円の商品券を入れます。それに本来は処分した商品を幾品か添えたらどうでしょう。買った方は確実に5千円の価値はあると認識するわけですから、入っていた商品の分だけお得感を感じます。 売る方も良かったと思い、買った方もお得感のある福袋商品を今後もどんどん開発してもらいたいものです。このレポートは、2023年1月2日(月)8時10分に配信された Yahooニュース『初売りの「福袋」、“売れ残り”を詰めているって本当?』を参考にして書きました。 |
|