『がね』とは、鹿児島の伝統的郷土料理で、さつまいも、ごぼう、にんじんなどを細く切って作る『かき揚げ』のことを言います。鹿児島の方言でカニ(蟹)のことを『がね』と言いますが、揚げたときの形がカニに似ていることからそう呼ばれます。さつまいもとにんじんを千切りし、ごぼうをささがきにし、ニラを2cmほどに切ります。小麦粉、米粉、卵を合わせてかための衣を作り、水を少しずつ足しながら調節します。それに、砂糖、塩、酒、薄口醤油と野菜を混ぜて低い温度でじっくり揚げ、最後に強火できつね色に揚げます。 |
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写真1 がね(かき揚げ風) |
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昔は各家庭で作って、食事時のおかず、焼酎のつまみ、農作業や結い(講)などの合間のおやつなどとして食べられたものでした。最近は、だご屋さんや物産館で売っています。
写真1のものは、かき揚げ風で、形がカニの手足(?)に似ていますが、写真2のものは、形がカニの甲羅に似ています。写真2のものは、さつまいもは入っておらず、ごぼう、人参、ニラを写真1のものより細かく刻み、米粉と小麦粉に合せの材料として豆腐を入れて丸い形にして揚げてあります。著者の住むさつま町では、特に写真2の方を『がね』と言っているようです。 |
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写真2 がね(さつま町) |
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2012.09.29、鹿児島県さつま町の自宅で撮影 |