情報 Information  ・金属疲労の話し   






材料に引張荷重(力)を掛けて引っ張ると、材料内部には引っ張られまいとする力が発生する。それを応力(ストレス)といい、単位面積(1mm2)当りの値で表す。例えば、断面積が10mm2で、引張荷重が2,800N(ニートン)の場合の応力の大きさは、280N/mm2であり、これを280MPa(メガパスカル)ともいう。

図1 応力




材料に掛ける引張荷重(力)の大きさをだんだん大きくしていって、引張荷重が8,400Nになったとき破壊した。そのときの応力の大きさ、840N/mm2、すなわち840MPaが、この材料の強さ(引張強さ)である。

図2 材料の強さ





材料に2,800Nの引張荷重を掛けたあと荷重を取り除き、こんどは2,800Nの圧縮荷重を掛ける。そのあと、荷重を取り除き、また2,800Nの引張荷重をかける。このように、引張と圧縮が交互に繰り返される荷重を繰り返し荷重という。

図3 繰り返し荷重





材料に掛ける『応力と疲労破壊に至る繰り返し回数の関係』を表す曲線をS−N曲線(エス・エヌきょくせん)という。静的な荷重の場合、280MPaの応力で破壊することはないが、繰り返し荷重の場合、50万回で破壊に至ることを上の図は示している。S−N曲線が水平になる応力値(上図では、220MPa)のことを疲労限界といい、この値より低い応力だと、材料は永久に破壊することがない。