イラスト歳時記  オクラ         Summer・夏 8月  




真夏の菜園でオクラが花を咲かせています。薄い黄色の清楚な花で、クラクラするような暑さなどまるで知らぬ顔といった様子で佇んでいます。鞘(さや)を摘み取って、さっとゆでて薄く切ったのに削り節を添え、かけ醤油で頂くオクラは、盛夏の時季にビッタリの野菜ですね。いかにも日本古来の野菜のように思いますが、原産地はアフリカの東北部で、オクラという和名も原産地の呼び名です。エジプトでは紀元前から栽培されていたようです。日本に入ってきたのは意外に新しく、幕末の頃だと言われます。当初はぬめぬめした食感と青臭さが好まれなかったようで、普及し始めたのは昭和30年代(1960年代)だと言われます。ぬめり気の正体は食物繊維で、コレステロールを減らす効果を持っていて、夏ばて防止、消化促進、強精促進などに良いようです。オクラは、今では健康野菜の人気者です。オクラは、いかにもハイビスカスや木槿(むくげ)、立葵(たちあおい)などと同じアオイ科の仲間らしく、直径が7〜9cmくらいの大輪の花を咲かせますが、やはり野菜の花なのでしょう、昼間に開花して夕方になると眠るように閉じ、花は1〜2日の命のようです。(2004年08月)

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