イラスト歳時記  ・木槿(むくげ)    Summer・夏 8月  




「その夜、なかなか寝つけなかった浅い眠りの中で、都築(つづき)はなん度となく白い花の夢に悩まされた。夢の中の酔芙蓉(すいふよう)は薄暮の中でも白く、闇(やみ)の中でも白いままだった。酔いもしなければ、散りもしなかった。」 高橋治著・小説「風の盆恋歌」の一節です。実際には、朝に咲いた酔芙蓉の白い花は、まるで酒に酔ったように昼には赤みをさし、夕方には赤く染まるのだそうです。酔芙蓉を描きたかったのですが、残念ながらまだ見たことがありません。そこで、代わりに同じアオイ科の木槿(むくげ)を描きました。帰省先の自宅の庭に咲いている木槿(むくげ)です。八月の終わりの今頃、晩夏の富山県八尾(やつお)の町では、9月1日〜3日に行われる「風の盆」の練習をかねた前夜祭が行われていることでしょう。酔芙蓉や木槿(むくげ)は、ハイビスカスと同じ仲間です。穏かな風情のなかに、内にはハイビスカスのような情熱を秘めているに違いありません。木槿(むくげ)の花言葉は、「繊細な美しさ」です。   (2003年8月)

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