イラスト歳時記  ・水仙         Winter・冬 1月  




水仙は、原産が地中海沿岸のヒガンバナ科の花で、わが国には平安末期に中国から渡来しました。房総半島、淡路島、そして越前海岸が日本水仙の三大群生地ですが、その中でも越前海岸は日本一の規模を誇り、「雪中花」とも呼ばれています。水仙を和英辞典で引くと、Narcissus(ナルシッサス)とDaffodil(ダッフォディル)があります。前者はギリシア神話のナルシッサスに由来します。美少年ナルシッサスは、水面に映る自分の姿に見とれ、その人を抱き寄せようとして水に落ちて死んでしまいます。その生まれ変わりが水仙だとされています。水仙と言えば、やはり蟹を食べに行った越前海岸の光景を思い出しますが、団塊の世代の著者にとって忘れらないのが、1970年代にブラザース・フォアが歌った名曲『七つの水仙』(Seven Daffodils)です。『僕には、マンションも土地もないし、手の中で皺をなす紙幣一枚さえも無い。けれども、君に千もの丘に降り立つ朝を見せてあげられるし、くちづけをして七つの水仙をプレゼントできる・・・』という内容のフォークソングです。ブラザース・フォアの澄んだハーモニーがビッタリの歌でした。水仙は、青春時代を思い出させる花のひとつです。 
                                                                              (2005年01月)

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