イラスト歳時記  立葵(たちあおい)  Summer・初夏 6月  




梅雨どきの花と言えば紫陽花(あじさい)ですが、梅雨の晴れ間の立葵(たちあおい)の姿も捨て切れません。ふつうの植物は、茎から伸びる枝に花をつけますが、立葵は茎に直接、花をつけます。葵(あおい)と言えば、ふつうはこの立葵のことを指し、京都の葵祭り(あおいまつり)や徳川家の家紋の葵は、双葉葵(ふたばあおい)のことです。太陽に向かうので「あうひ」(仰日)が転じて葵(あおい)になったと言われ、立葵は、花をつけた茎が高く直立し、草丈は2mぐらいまでなります。そのような立ち姿からそう呼ばれるようになったのでしょう。中国原産の花で、日本には平安時代に薬草として伝わってきました。立葵の花は、梅雨入りのころ、下段から咲き始め、咲き終る頃には梅雨が明けると言われています。花は、ハイビスカスや芙蓉(ふよう)、木槿(むくげ)などと同じ仲間らしく、直径が10cm前後もある大きな花で、人が創ったような豪華さがあります。だから、花をズームアップしてイラストを描いてみたのですが、立葵の雰囲気としてどこか物足らないのは、立葵は一本だけ単独で咲くことはほとんどなく、群がって賑やかに咲いているからでしょう。多年生のため、こぼれた種子も芽を出して庭先などに群がって賑やかに咲く、それこそ立葵の雰囲気なんですね。(2004年06月)

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