コラム  ・彼岸花と紫陽花   
− 彼岸花と紫陽花 −

紫陽花(あじさい)は、6月の梅雨の時季の花です。花の雰囲気もだいぶん違うので、「彼岸花と紫陽花」の組み合わせは、奇妙な組み合わせです。


ところが、先日、宮崎県の綾(あや)町を訪れたとき、照葉樹林の谷間(たにあい)を流れる綾南川の川岸で、杉の根元に彼岸花と紫陽花が寄り添って咲いているのを目にしたのです。
  ・『彼岸花と紫陽花』
      → http://washimo-web.jp/Information/Ajisa&Higanbana.htm


9月下旬に入った時期ですから、明らかに紫陽花の狂い咲きです。ちょっとした気候のいたずらでしょう。なのに、何の因縁だろうと勘繰ってみたくなるのは、やはり中年男(中高年男)の厭(いや)らしさというものでしょうか。


彼岸花は、華麗で美しいですが、どこかに悲しさを感じさせます。花言葉をネット検索してみると「悲しい思い出」「想うはあなた一人」という言葉が定着しているようです。


一方、紫陽花は、花の色が、妖艶(ようえん)に変化することから、「移り気」や「心変わり」という花言葉をもらっていますが、土の酸性度に合わせて花の色を変えるのであって、自分に与えられた全ての条件や環境を有りのままに受け入れて適合していくというので、「辛抱強い愛情」「元気な女性」「謙虚」という花言葉ももらっています。


「想うはあなた一人」という彼岸花の一途な想いに、謙虚で辛抱強い紫陽花が健気(けなげ)に応えたということでしょうか。


「澪つくし」は、1985年(昭和60年)に放映され高視聴率を続けたNHKの朝の連続テレビ小説でしたが、当時は仕事仕事でこんな番組があることさえ知りませんでした。今回、BSの再放送を見ることができました。9月25日(土)が最終回でした。


澪つくし(澪標:みおつくし)とは、通行しやすい深い水脈を通行する船に知らせるために、水路に立てられた杭(くい)のことで、身を尽くすという意味も込められているとか。


「恋は危険な訪問者である。しかし、恋のない人生は、味気なくも切なくもある」。これは、最終回のフィナーレを飾るナレーションの言葉でした。


霧島連山を北側から遠望しながら帰路を走る国道268号線沿いには、あちこちに彼岸花が咲いていました。市街地の沿道には、白色の彼岸花も植えられていました。


        『 花魁の情念は朱なり彼岸花 』  ワシモ

   
花魁(おいらん)のことを知っているわけではないけど、彼岸花が何かしら連想させ
ます。

        『 情念を内に秘めたり白彼岸 』  ワシモ

  
ならば、白い彼岸花は・・・ 。



2004.09.29  
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